活動方針

中学校長会活動方針

令和6年度 活動方針・事業計
活 動 方 針


基本的な考え方】
 現在我が国は、急激な社会の変化や新型コロナウイルス感染症の影響などにより、デジタル化社会への急激な進展など日々の生活基盤が大きく変容し、物質的な豊かさの一方で人間関係の希薄化や雇用の不安定化など日常生活において心の豊かさを実感できにくい状況がある。また、国際情勢の不安定化や地球規模の気候変動による影響など先の予測が困難な時代の中にある。
教育界においては、いじめの重大事態の発生や不登校児童生徒数の増加などが引き続き重要な課題となっている。また、学力の向上はもとより、家庭や地域社会との連携の強化、生徒の学習や生活の基盤づくり、道徳教育及び特別支援教育の一層の充実、すべての活動の源である健やかな心身の育成が中学校教育に求められる。
本県においては、本年度が「第6次山形県教育振興計画(後期計画)」の終期となり、趣旨にそって一層の具現化を図ることが求められている。なかでも、授業力の向上並びに教育山形「さんさん」プランについては、成果と課題の検証を確実に進める必要がある。
 こうした中で県中学校長会は、創立以来77年の積み重ねを基に、教育における不易を大切にするとともに、新たな時代に対応した山形らしい確かな教育のあり方を求めて実践と改革を進め、着実に成果を上げてきた。私たちは、これからも新たな教育課題に対して果敢に挑戦し、校長相互の資質向上を図り、学校経営のさらなる充実と学校からの教育改革を進め、信頼される教育現場をつくらなければならない。
私たちの目指す教育は、自分の地域を大切にしながら、志高く国際的な視野をもってたくましく未来社会を創り出していく生徒の育成である。この使命と義務を果たすべく、めざす生徒像として、
 ・自他の「いのち」を尊重する生徒
 ・主体的に学び、確かな力を身につけて自己を確立する生徒
 ・他とかかわりをもって共生できる心豊かな生徒
 ・社会への幅広い関心をもち、創造力に富んだ生徒
を掲げ、全日中の研究主題である「新たな時代を切り拓き、よりよい社会を形成していく日本人を育てる中学校教育」及びそれを柱とした全日中新教育ビジョン「学校からの教育改革」を踏まえ、次の運営方針と活動の重点のもとに活動するものである。
1 運営方針
(1)校長の経営力の向上を図るとともに、中学校教育の課題を究明し、十分な意見交換のもと解決に努める。
(2)組織・運営等のあり方を継続的に見直し、活動の活性化と効率化を図り、目的達成に努める。
(3)小学校・高等学校・特別支援学校及び関係諸機関との連携を密にし、情報交換に努めるとともに必要に応じて積極的な発信を行う。
 それぞれの学校の実態に合わせて、東日本大震災及び甚大な自然災害の復興に関わる支援を継続するとともに、Society 5.0 の社会を見据えた新たな教育活動の在り方を模索する。
2 活動の重点
 「いのちの教育」を基底に据え、社会を生きぬく力の一層の育成を図るという視点から、次の5項目を活動の重点とする。
(1)地域や家庭から信頼される特色ある学校づくりに努める。
ア 自主・自律の精神に基づいた創意ある学校の経営
  イ 家庭・地域と一体となった開かれた学校づくりの推進
ウ 生徒の安心・安全を確保できる学校づくりの推進
(2)学習指導要領の趣旨を踏まえた教育課程の編成・実施に努める。
  ア 社会に開かれた特色ある教育課程の編成・実施
  イ 基礎的・基本的な知識及び技能の確実な習得並びにそれらを活用する能力及び主体的・協働的に学習する態度を育てる指導・評価の工夫・改善
  ウ 組織的・計画的なカリキュラムマネジメントへの取組
  エ 豊かな心と健やかな身体を育てる道徳教育・健康教育の充実
   ○特別の教科道徳と各教科等の関連を図る全体計画の作成・活用
   ○他と協調して生きる社会性、規範意識を育む教育の充実
   〇心身の健康及び個性・感性を育てるバランスの取れた文化・スポーツ活動の推進
○ガイドラインに則した部活動の推進
(3)教育公務員としての意識の高揚と教育力の向上を図るとともに研究活動の充実に努める。
  ア 使命感、倫理観、指導力を高める研修の推進
  イ 生徒・保護者・地域に信頼される、教職員の綱紀保持・服務規律の徹底、体罰・暴言の絶無及び不祥事の防止
  ウ 中学校教育の改善に資する調査研究の充実
  エ 共通課題の継続研究と地域課題についての実践的な研究の推進
(4)教育諸条件の整備及び教職員の処遇改善のための対策活動に努める。
ア 教職員定数改善及び教育山形「さんさん」プランの一層の充実と成果の検証
イ 教職員の資質向上を図るための施策の充実
ウ 人材確保に関する特別措置法の趣旨を生かした教職員の処遇の維持向上
エ 学校配当旅費の確保及び教材費の増額
オ 学校施設及び設備の整備・充実
カ 文化・スポーツ活動及び諸活動のための経費の増額
キ へき地・小規模校教育の振興充実
ク 特別支援教育の振興充実
ケ 自主・自律を進める学校づくりのための学校裁量予算の措置及び増額
(5)学校における働き方改革を推進する。
  ア 業務改善に向けた継続的な取組
  イ 管理職のマネジメント力の向上
  ウ 地域と連携した部活動改革

事 業 計 画

各委員会等の分掌業務と併せて、本年度は次のような事業を計画・推進する。
1 第78回山形県中学校長会研究協議会並びに令和7年度に開催される第75東北地区中学校長会山形大会の成功を期して、会員総力を挙げて取り組む。
2 当面する教育課題の解決に向けて、会員の意見を集約し、積極的に発信する。
3 生徒指導上の複雑化する課題や問題行動の情報の共有及び、他機関との連携強化を図る。また、生徒指導の充実と迅速な対応を図るため、「生徒指導四者連絡協議会」を県中学校長会及び各地区校長会で開催する。
4 教職員の資質向上について一層の実践を推進するとともに、教職員評価や学校における働き方改 革についてもその諸課題について広く議論を進める。
5 中学校教育及び中学校長会の組織等に関する課題や緊急性の高い問題について検討するため、必要に応じて「教育問題検討特別委員会」を開催し、問題の究明と解決策を探る。